納豆揚げ

ある魚屋さんでの光景。
売り子のばーちゃんが、目の前の客数名と接客中。

 

相手は観光客。
しかも中国人。
しゃべってる言葉が中国語だから間違いない。
しかし、ばーちゃんひるまない。

 

ばあ：「あんた、この紅鮭美味いよー」
中人：「はにゃほひゃはにゃ（中国語）」
ばあ：「天然だからね、違うよー」
中人：「はにゃほひゃはにゃ（中国語）」
ばあ：「半額にしとくからさ、ほら、買ってきな」
中人：「はにゃほひゃはにゃ（中国語）」
ばあ：「こんなの余所じゃ買えないよー」
中人：「はにゃほひゃはにゃ（中国語）」

 

明らかに会話として成立してない。
それでもばーちゃん、怒涛の押し売りセールスは続く。

 

ばあ：「もー美味いんだー」
中人：「うーにゃーうにゅあー（←かなり押されてる）」
ばあ：「こんないいモンちょっとないよー」
中人：「うーにゃーうにゅあー（←かなり押されてる）」

 

諦めない。
ばーちゃんどーしても中国人に紅鮭売りたいらしい。

 

が。

 

突然、諦める。
散々押し込んだ挙句、もーダメだとようやく悟ったらしい。
いきなり奥に引っ込んで、新しい紅鮭を切り始める。
あまりの変わり身の早さに戸惑う中国人。

 

そしてばーちゃん、強烈に毒づきはじめる。

 

ばあ：「ダメだあいつら、もー」
ばあ：「ああ面倒くさい」
ばあ：「こっちも忙しいんだよ」

 

どうせ何言ってるか分からないと思って、言いたい放題。
やがて去っていく中国人。

 

ばーちゃんさー。
中国人観光客が生魚買う訳ねーじゃん。
それを無理矢理押し売りして。
買ってもらえなくて。
逆恨みなんて。
えげつなさすぎだろ。

 

昭和の人達はこうして戦ってきたんだなと。
戦後を生き抜いてきた人間のたくましさと商魂に。
言い知れぬ戦慄を感じました。

 

わしら世代がおっとりし過ぎなのかのー？（笑）

 

 

はい、今回はコチラ、”納豆揚げ”。

 

納豆は今までの人生で死ぬほど食べてきましたが。
”納豆揚げ”なんて初めて。

 

って事で買ってきました。

 

まあ要するに、納豆に衣を絡めて。
海苔の上に乗せて。
じゅうわ～っと揚げてあると。
そういう食いものです。

 

味は三種類。
手前から順番に「ピリ辛」、「カレー」、「ノーマル」。

 

それでは初体験の納豆揚げ。
ぱくぱくっと食べたおしましょか。

 

 

まずは「ピリ辛」。
ぱくんとかぶりつく。

 

お、何となく。
何とな～く納豆（笑）。

 

納豆よりも紅ショウガの香味の方が先に来て。
そして白ゴマの香り。
さらに海苔の香り。
その裏の裏の奥の方にひっそり～と納豆。

 

納豆、めっちゃ脇役ですがな（笑）。

 

 

続いて「カレー」。

 

カレーのスパイス感は。

 

あー。

ない（汗）。

 

でもカレーと言われれば何となーくカレーのニュアンス。
でも油の味の方が強く。
それと醤油。

 

納豆の味は。
うん。

 

あるような、気が、する（笑）。

 

 

最後に「ノーマル」。

 

お、これはさすがに。
納豆の味が。

 

味。

 

やっぱり油と醤油の味（笑）。

 

納豆ーーー！！！
ドコにいるんだ、納豆ーーー！！！！

 

誰か納豆、呼んできて下さい。

 

 

はい、ビール君の登場。
本日のお供はキリン一番搾り。

プルタブをぷしっと開けてぐびり。

 

クリーミーにさらさら～っと流れ込んでくる泡。
甘くて優しいタッチの泡。

 

ホップの香味は清々しく。
麦のうま味が口いっぱいにあふれる。
後味に爽やかな苦みがじわ～り。

 

ああ～仕事の後のビールは美味ぇ～～♪♪

 

 

それでは納豆揚げ＋ビール。

 

まずは納豆揚げをひとかじり。
もんぐもんぐ噛んで、一番搾りをぐびり。

 

揚げものとビールなんでね。
もー合う！合う！

 

油でべたついた口の中を。
ビールがさらーっときれいにすすぐ。
さっぱりとした口の中には。
油で隠れていた素材の味だけが残る。

 

あ、納豆。
ここで初めて納豆。

 

最後の最後になってようやく現れた大豆の味は。
言い知れぬ勝利の味。

 

納豆だ。
やっぱりこの納豆揚げは納豆でできていたんだ。

 

と、言うか。
なんでココで喜ぶ？？（笑）

 

そんな不思議な喜びに浸りながら。
今日も幸せ×幸せな深夜のビールタイムを満喫。

 

納豆。

 

イズ。

 

フォーエバー。

 

 

ごちそうさま。

 

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